特徴・悪影響
特徴
参考画像

- 骨盤が前に倒れ、腰が反る
- 立位でASIS(上前腸骨棘)が下がり、PSIS(上後腸骨棘)が上がっている状態
- 一見、姿勢が良く見える
見た目への影響
参考画像

- 腰が反る(通称:「反り腰」)
骨盤前傾による腰椎前弯の増強 - 下腹部がぽっこり・前に突き出る
骨盤前傾自体によるもの|腹筋弱化による腹圧低下 - ヒップアップして見える/お尻が突き出る
骨盤前傾+腰椎過伸展
(SNS女子は写真撮るとき骨盤前傾してお尻を突き出して撮ってる。自身のお尻をそれと比べないで。) - 肋骨下部が前・外に開く/突き出る(リブフレア)
骨盤前傾を代償しようと胸郭前方化 - 太ももの前・外が張る
大腿筋膜張筋・大腿直筋の短縮・肥大
間接的な見た目の変化
・股関節内旋 ⇨ O脚/XO脚/X脚
⇨ 脛骨外旋 ⇨ ふくらはぎ外張り
機能/痛み
- 腰椎前弯の増強
・腰痛リスク(椎間関節や棘突起へのストレス)
・腰回りの慢性的な疲労感・張り
( 腰部脊柱起立筋過緊張 ) - 腹圧低下
他異常関節位への連鎖
- 腰椎過伸展(腰椎前弯の増強)
- 肋骨開大
- 股関節内旋/屈曲
骨盤前傾の原因
- 長時間座位
・股関節屈筋群(腸腰筋など)の拘縮・短縮
・殿筋抑制 - 腹圧が抜けた姿勢
- ヒール靴の着用
つま先荷重(前荷重) ⇨ 代償的に腰椎伸展しバランスをとる - 体が硬いのに「いい姿勢」を取ろうとする
胸椎や肩甲骨の可動性が低いのに、胸を張ろう・背筋を伸ばそうとすると、代償的に腰椎を反ってしまう - 筋トレ偏り:背中多め/尻・腹少なめ
※ 腹筋運動の際、腸腰筋を使ってしまうと余計に反り腰や骨盤前傾を悪化させてしまう - 股関節内旋からの連鎖
脚を組む癖・女の子座りなど - 筋肉アンバランス
緊張/短縮
・腸腰筋
・脊柱起立筋
・大腿直筋・大腿筋膜張筋
弱化/非優位
・大殿筋・ハムストリングス
・腹直筋・腹斜筋
改善・対策
骨盤前傾・反り腰・肋骨開大がセットで発症しているケースが多いため、
総合的に改善する方法を記述する。
- 骨盤前傾の原因となる筋肉を改善
緩める〜腸腰筋・脊柱起立筋・大腿直筋・大腿筋膜張筋
強化〜大殿筋・ハムストリングス・腹直筋・腹斜筋 - 意識・動作指導
・骨盤を後傾し、軽度前傾位に
・腹圧により肋骨を軽く引き込み、肋骨開大・前突を防ぐ
・上記を保ちながら胸椎 ” のみ ” を伸展する

- 腹圧・腹筋の使い方について
肋骨を腹直筋で強く押さえ付けてしまう(お腹を丸める)と、胸椎の伸展を阻害してしまう。
骨盤を中間位に戻したら、
あくまで、腹直筋は軽く固める程度(縮めない)で、腹横筋をメインに収縮し肋骨を中に引き込む & 腹圧を高める。
その状態を保ったまま、胸椎 ” のみ ” を伸展する。(一緒に腰椎を反らないように)
「腹をきめ、肋骨下部が上がり過ぎないように胸を天井に向けて、胸椎を縦に伸ばす」イメージ
「肋骨を下げる」というよりは「肋骨を骨盤の上に“乗せる”」イメージ
⇩ 腹圧って?(姿勢維持や日常に関しては、左のドローインで十分。ブレーシングはスクワット時や重い荷物を持つ際に、腰を守るために使用)

- 胸椎伸展について
腰椎が伸展しやすい環境下で胸椎のみを伸展させるのは難易度高め。
「胸椎屈曲」の緊張筋を緩めることで、その難易度を下げよう。
【短縮・過緊張】(緩める)
・大胸筋・小胸筋
【弱化・非優位】(鍛える)
・脊柱起立筋(特に胸椎部分)
・菱形筋、僧帽筋中下部 - 骨盤の後傾具合について
骨盤後傾をし過ぎると、骨盤が前に出て(スウェイバック)、腹筋過収縮 & バランス代償により、胸椎過屈曲を助長する。
反り腰は一見「まっすぐになった」ように見えても、姿勢全体は崩れ、胸椎の可動性もむしろ悪化。
反り腰から一転して「スウェイバック+猫背姿勢」に。
あくまで、骨盤の理想の傾きは「軽度前傾」
「骨盤を後傾させる」ではなく「前傾しすぎを中立に戻す」
または、「骨盤を軽く立てて、肋骨を骨盤の上に乗せる」イメージ - その他
股関節内旋を改善することも骨盤前傾改善に貢献する