上肢挙上困難/僧帽筋上部過使用

日常生活で
腕が上がりにくい、、僧帽筋が疲れる・張る・肥大する、、

これらは以下が原因かも。
・肩甲上腕の可動域低下
・肩甲胸郭(肩甲骨)の可動域低下


肩甲上腕の可動域低下


肩関節が内旋していると、肩甲上腕開大角度が低下する。

通常の上肢挙上では、
上腕骨が外旋しながら上がることで
上腕骨大結節が肩峰下をスムーズにすり抜ける

しかし、内旋位では
上腕骨大結節が前方・上方に出てしまい
肩峰下で骨同士が早くぶつかる

結果、肩甲上腕開大角度が低下する

そんな中、、

上肢挙上角度 150度の位置まで手を上げたい、、

通常
・肩甲上腕 100度
・肩甲胸郭 50度


内旋位
・肩甲上腕 90度 ⇦ 開かない、、
・肩甲胸郭 60度 ⇦ 代わりに動く

上肢挙上角度 180度の位置まで手を上げたい、、

通常
・肩甲上腕 120度
・肩甲胸郭 60度


内旋位
・肩甲上腕 90度 ⇦ 開かない、、
・肩甲胸郭 90度 ⇦ 代わりに動く


肩甲胸郭(肩甲骨)が90度も動けばまだいいが、そもそも動かない場合、無理やり肩甲上腕を上げることになる、、肩甲上腕(肩関節)痛める

肩甲上腕が開大しないため、
代わりに肩甲胸郭が大きく動く(頑張る)羽目に、、

肩甲胸郭稼働=僧帽上部使用

結果的に、、僧帽筋上部が発達・こり・優位

また、肩甲上腕の可動域が低下している中で、不意や無茶に上肢を挙上しようとした場合、肩関節を痛めてしまうことも想像できる。

左:正常 右:肩関節内旋


肩甲胸郭(肩甲骨)の可動域低下


肩甲骨の可動域(上方回旋)が低下する原因はざっくり二つ
① 拮抗筋が緊張してる
② 肩甲骨が他の位置にいる

①拮抗筋が緊張してる

肩甲骨を下方回旋/下制する筋肉
・小胸筋
・前鋸筋
・僧帽筋下部
・菱形筋
これらの筋肉が緊張してると肩甲骨の上方回旋が阻害され、肩甲胸郭の可動域が低下する
(特に小胸筋・前鋸筋が悪。僧帽筋下部は姿勢維持の観点で多少の筋緊張は嬉しい)

僧帽筋上部が張る理由
単純な綱引き理論で、肩甲骨を下げる筋肉が強いため、肩甲骨を上げる際、僧帽筋が強く使われる

肩関節を痛める理由
肩甲骨の可動が低い中、上肢を挙上しようとした場合、肩甲上腕の開大可動域を超え上肢を挙上することになり、肩甲上腕(肩関節)の損傷につながる

上記2つの理論は、
左手で右の肩甲骨を上から押さえつけ、バンザイしようとすれば分かる!

②肩甲骨が他の位置にいる

肩甲骨外転位など、肩甲骨が他の位置にいる場合、動きが制限される

僧帽筋上部が張る理由
肩甲骨の動きが悪い中、上方回旋しようとした場合、通常に比べて強い力が必要

肩関節を痛める理由
肩甲骨の可動が低い中、上肢を挙上しようとした場合、肩甲上腕の開大可動域を超え上肢を挙上することになり、肩甲上腕(肩関節)の損傷につながる


そして、、

上記①②は併発していることがほとんど、、
(肩甲骨外転位は小胸筋や前鋸筋の緊張を伴っている)


上記二つの併発


肩甲上腕の可動域低下
(肩関節内旋)

肩甲胸郭(肩甲骨)の可動域低下
(小胸筋・前鋸筋緊張)
(肩甲骨外転位)

上記の状況は ” 併発 ” していることがほとんど。

そもそも「巻き肩」は上記全てを併発している

肩甲上腕が開かない上に、
肩甲胸郭が動かない場合、、

上肢挙上可動域はかなり低下する

正常
・肩甲上腕 最大120度
・肩甲胸郭 最大 60度
合計180度

異常(障害程度による)
・肩甲上腕 最大 90度
・肩甲胸郭 50度
合計140度

そんな状況で無茶な上肢挙上を行えば
肩関節は損傷し、
僧帽筋上部は過剰使用される。

肩関節の痛みや炎症
肩こり・僧帽上肥大


ちなみに、、


腕が上げにくい原因として
・広背筋
・大胸筋下部

などの、
・上腕骨から付着し
・肩関節を内転・伸展する
筋肉が緊張していることも考えられる

結果的に
・腕があげにくい
・上肢挙上の際に僧帽筋上部過剰使用
につながる!


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